健康管理は大切 家族性多発性脳海綿状血管腫

●脳幹部脳海綿状血管腫患者の私と高次脳機能障害

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とある脳外科病院のサイトで見つけた「高次脳機能障害 症状チェックリスト」をみて、自分が困っていることの多くがリストに当てはまってることに愕然とした。高次脳機能障害というのは、大きな出血を起こした人や、事故で脳に強い衝撃を受けた人に現れる症状だと思っていた。多発性脳海綿状血管腫を持っている自分は、血管腫が出血した場所の機能は落ちてるけど、高次脳機能障害という言葉は自分は無縁だとずっと思ってた

 

高次脳機能障害とは?原因は?症状は?

高次脳機能障害とは何か

脳卒中や交通事故などによる脳の損傷が原因で、脳の機能のうち、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に起こる障害を高次脳機能障害と言います。全国に50万人くらいと推定されています。

(高次脳機能障害と発達障害のためのクリニック はしもとクリニックHPからの引用)

 

高次脳機能障害を起こす原因

  • 発症原因の8割が脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害)
  • 1割が交通事故などの脳外傷
  • その他:脳炎、窒息や心筋梗塞から起こる低酸素脳症、脳腫瘍、症候性てんかん、正常圧水頭症、パーキンソン病などによる脳の損傷

高次脳機能障害専門クリニック はしもとクリニック経堂HP参照)

 

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高次脳機能障害の症状

以下は、慶応大学病院のHPを参考に、高度脳機能障害の症状をを箇条書にしたものだ。

失語症

  • 言葉を話すこと、聞いて理解すること、文字を書くこと、文字を理解することなどが困難
  • 頭の中では分かっているけれども声に出すと違う言葉が出てきてしまう、聞こえるけれども理解できないという状態
  • 聞いた言葉を理解すること、思った言葉を口に出すこと、書かれた文字を読むこと、文字を書くこと、言われた言葉をおうむ返しにすることなどが困難に
  • 言語中枢は、多くの人は左半球にあるため、左の脳を損傷すると失語症を発症しやすくなる

記憶障害

  • 新しい出来事を覚えていられなくなる
  • 経験したことを覚えるのが困難(例:何度練習しても杖の使い方を覚えられない。食事を摂ったかどうか覚えていない)

注意障害

注意障害の症状

  • 作業に集中できなくなる
  • ぼんやりしていてミスばかりする
  • 2つのことを同時にしようとして頭が混乱する
  • 一度何かをやりだすと、別のことができない
  • 周りの些細なことに気をとられて大事なことを忘れやすくなる

失認

  • 視力や感覚能力は保たれているのに、目の前にあるものが何か分からない、名前が分からない

失行

  • 明らかな麻痺はないのに、道具が上手に使えなかったり、極端に間違った使い方をしたりする
  • 病気の前まで何気なくやっていた歯磨きや着替えなどといった動作もうまくできなくなり、他人の指示が必要となる

半側空間無視

  • 目では見えているのに片側にある人や物を無視する、片側にある物にぶつかる、片側にある物を食べない
  • 左側を意識する、注意するという考えそのものが欠けているため、何度失敗しても左側の物にぶつかる
  • 多くは右の脳が損傷を受けたときに生じる、左側を無視してしまう左半側空間無視ですが、まれに右側のことも。
  • 歩く際に左側の物にぶつかりやすく危険であったり、左側に曲がれないために部屋に戻れなかったり、食事の際に左半分に全く手をつけない

遂行機能障害

(遂行機能とは、計画を立て、実行する能力。例えば、家の電球が切れてしまったときに、どこのスーパーに行って、このサイズの電球を買おうと計画し、必要なお金を持って買い物をするといった能力)

  • 計画を立てて物事を実行することができない
  • 人に指示してもらわないと何もできない
  • 行き当たりばったりの行動をとる

病識欠落

  • 自分が障害を持っているという認識がうまくできないため、障害がないかのようにふるまったり、言ったりする
  • 危険行動からの転倒・転落が問題となる

その他

  • 他人に過度に頼る依存性・子供っぽくなってしまう(社会的な行動障害)
  • 食事や金銭的な我慢ができなくなる(欲求コントロールの低下)

慶応義塾大学病院 医療・健康情報サイト参照)

 

脳海綿状血管腫と高次脳機能障害との関係

以下は、脳海綿状血管腫について解説している病院HPからの引用だ。これを読んだ時に、「じわじわと出血する脳海綿状血管腫も、大きな脳出血や事故に遭った人と同じように、高次脳機能障害を起こすのか・・!」と体が震えた。

出血発症のものは、出血を契機に麻痺や失語などの症状を呈し、もしくは出血時に症候性のけいれん発作を起こして病院へ搬送されるようなケースです。どこの海綿状血管腫でも生じえます。得てして出血は小規模のものに留まることが多いので、症状が出るかどうかは、その血管腫が脳の機能的に重要な部分にあるのかどうかによるところが大きいのです。

例えば、運動野にあれば運動症状が出やすいですし、優位半球の側頭葉~頭頂葉では部位によっては失語や高次脳機能障害を呈することもあります

はしぐち脳神経クリニックHP「海綿状血管奇形(海綿状血管腫)」からの引用)

自分の脳を撮影したMRI画像と、「脳のどの場所がどんな機能を担当しているか」が書かれている病院HPの図を比べてみた。さらに身体が震えた。私の症状と、出血部位と、病院HPの図がぴったり一致していたからだ。

 

これは私のMRI画像の一部だ。

画像は左右反対になっている。

(右に見える大き目の出血痕は左脳にある)

輪切り画像を全部載せるのも場所とるしな・・と思ったんで、これ1枚だけを載せてるけど

もう少し上を撮影した画像には、脳の真ん中にも出血痕がある。

というか、私の脳内の出血痕を数えたら150個、いや、もっとある

色んな症状がでるはずだよな・・と、落ち込みながらも納得した。

 

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多発性脳海綿状血管腫を持つ私の 高次脳機能障害が疑われる症状

やる気が出ない

昔は、目をつぶっていてもどこに何があるか全部分かるくらい家じゅうを片付けていた。3LDKの引っ越し荷物は、ひとりで3日あればまとめることができた。高校生の頃は両親がずっと入院していたので、見舞い・受験勉強・部活・家事をひとりで全部やることができた。学校から帰ったらまずは家の周りをジョギング。その後は家事をしながら授業内容を思い出して復習。食事後は受験勉強。

クラスの子達が予備校に通うために電車に乗っているというのに、私は病院に行くために電車に乗っていた。もちろんその移動時間も頭の中で、限られた時間で最大限の用事をこなすにはどうしたらいいか、いつも手順と優先順位を考えていた。やる気と負けん気にあふれた娘だった

それが今はどうだ。調子がイマイチの時は、一日中パソコンの前でぼーっとキーボードを叩いている。家事は夫がやっている。老後のために断捨離すべき年代だというのに、あふれているモノを目の前にして、もう最近は何の危機感も持てなくなってきた。何にもやってないから1日が終わるのが早い

物事を順序立ててやることが難しい

たとえば、銀行に行く・駅で新幹線の切符を買う・郵便局で書き留めを出す・図書館で本を返す、という4つの用事を1回の外出で片づけるとする。どの順番で行けば最短距離で済むのか、窓口が閉まる時間に間に合わせるにはどの順番で片付けたらいいのかが分からない

だから出掛ける前には、振り込み用紙・特急券の申込用紙・書き留め・本 の順番で書類や本を束ね、上から順番に片付けていけばいいように、外出前に入念にルートを考えておく

優先順位をつけて行動できない

後回しでいいことなのに、目の前にある物事を先に片付けようとする。そして、その日のうちに絶対やっておかないといけないことを忘れてしまう。突発的になにか新しい用事が入ったら、何をどうしていいのか頭が混乱して先に進めなくなってしまう。

言葉が出てこない

これはもう毎日だ。たとえば「メガネ」と言いたいのに「花瓶」と言ってたりする。あるいは、言いたいことは頭の中に正しく浮かんでいる(物の名前などもちゃんと合っている)のに口に出せない。言おうとすると頭が混乱する。途中まで言いかけて「もういい、忘れて」と話を中断してしまう。

言いたいことをあらかじめパソコンに打ち込んで、画面を見ながら電話する。だから掛かってきた電話に出るのは大嫌いだ。話す準備ができてないのに、相手が一方的に話してくる。何を言っていいのか分からない。分かっていたとしても口まで届いてこない。そのうち脳の中が熱くなり、混乱し始め、意識が遠くなる。そして布団に入ることになる。

感情のコントロールも少し難しい

距離感の遠い人とは問題なく普通に話ができる。ところが、距離が近くなるにつれて感情のコントロールができなくなる。緊張感がなくなるからだろうか。「私はなんでこんな失礼なことを言ってるんだろう」と、後になって何度も後悔してきた。謝りっぱなしだった気がする。

新しいことを覚えられない

症状が出なかった頃や軽かった頃に覚えたことは、大体しっかりと覚えている。昔作った銀行口座の番号は何も見なくても間違ったことはない。小学生の時の連絡網に書かれてたクラスメートの名前・保護者の名前・電話番号・あだな、今でもほぼ全部覚えている。ところが今は、数秒前に書いたメモの文面を忘れてしまってもう一度見直したりするのはよくあることだ。

大学生の頃に受けた漢字検定の1級では、全国最高得点をとって表彰状とトロフィーをもらった。通っていた大学は京都大学。現役合格だ。当時は、教科書は一度読めばすんなり頭にはいってきた。暗記に苦労した覚えがあまりない。昔の自分と比べたら、今の私は廃人に近い

 

気になる症状の原因が特定できない時は 脳に問題がないか念のために調べてね

半世紀前後の間それなりに健康に生きてきた人は、物忘れをしたり、新しいことについていけなくなったとしても、「ま、歳のせいかなw」と軽く流してしまうかもしれない(実際そうなのかもしれないし)。

女性の場合だと、「イライラする!」「意味もなく泣きたい!」といった感情の乱れを、「更年期障害だから仕方ないか」と片付けてしまうかもしれない(実際そうなのかもしれないし)。

病院で薬をもらってしばらく飲んでも症状が変わらない時は、別に原因がないかどうか、時間とお金が許す限り調べた方がいいと思う。脳に限らず、そこに慢性疾患を起こしている場所があるかもしれない。

軽ければ症状が小さいうちに治すことができるかも。薬で進行を遅くすることができるかも。

脅すわけではないけれど、あれもこれもできなくなってからでは取り返しがつかない。

年齢にかかわらず言えることだけど、あなたが半世紀前後の人生を送ってきた人ならば、今そこそこ健康でも、健康診断はしっかり受けてね

私の脳海綿状血管腫は数が多すぎるし、いくつかは脳幹にもある。手術で全部切除しようとしたら、私の脳はぐちゃぐちゃな豆腐みたいになる。

薬でなんとかごまかせるうちに老後の準備が間に合うか。やりたいことをどれだけやり切れるか。怖がっているヒマはない。どんどん出血部位は多くなっていくと言われているので時間との勝負だ。

 

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いめゆんな

多発性脳海綿状血管腫(家族性・脳幹部含む)を持つ軽度障害者です。与えられた身体や生活環境と折り合いをつけ、最大限の楽しみと幸せをつかみたい、と思いながら生きてきた半世紀を綴ってます。海外ひとり旅歴35年。京都大学卒。医学・医療系大学の講師です。

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