血管腫と共存する私の生活記録

明日が必ず来るとは限らない、という気持ちで生きていこう

「脳海綿状血管腫がありますね」と病院で指摘され、「命にかかわる病気なのか?どうしたらいいんだ!」と思われてる方がいたらお伝えしたい。私は医者ではないけれど、知りうる限り、死に直結する血管奇形でないことの方が多い。海綿状血管腫が見つかっても無症状なこともあるし、症状があっても薬でコントロールできることも少なくない。手術で切除した方がいいと勧められる人もいる。

でも私は違う。脳のあちらこちらに出血痕がある。生命維持に不可欠な脳幹部にも。そして脊髄は胸の高さから尾てい骨近くまで。さらには背骨の中にまである。全部切除したら私の中枢神経は穴だらけになる。だから、脳幹だの脊髄だのとヤバい場所にあっても、私の血管腫にできる治療は経過観察しかない。

どこがどの程度出血するかなど誰にも分からない。出血の度合いが大きければ人生一発退場。私と血がつながっている家族は、運の悪いことに全員が血管腫を持っている(た)。出血で命をうばわれたしたケース・言語機能を奪われて半身不随になり車椅子生活を過ごしたケース・放射線障害のリスクを覚悟して脳幹にガンマナイフを照射したケース。一口に脳海綿状血管腫と言っても、症状も予後も治療法も全然違う。経験が身近にたくさんあり過ぎて、私はこの血管奇形の怖さに少し麻痺しているかもしれない。「あって当たり前だし、悪化する前提で生活設計をしてるしね」くらいの感覚で生きている。

存命なのは私と弟の2人だけになった。弟は症状が出たら病院に行くというスタンスで病気と共存している。だから、脳や脊髄にある血管腫の数や場所は正確には分からない。

私は弟とは逆で、あらかじめリスクがありそうな場所をMRIで撮影してもらったので、血管腫の場所・大きさ・数・出血によって奪われそうな機能はだいたい把握している。

今までは、大抵の海綿状血管腫がそうであるように、じわっと微量の出血が起こり、少しずつ身体の調子が悪くなることの繰り返しだった。けれど加齢と共に血管は弱くなる。血圧に気をつけていても、いつまでも若い時と同じ状態を保つことは難しい。血圧だけでなく血管もそうだ。

大脳と小脳にしか血管腫が発見されていなかった頃は、私も比較的冷静で、血管腫のことをほぼ気にせずに生活を営んできた。無茶もした。布団に入り、明日が来るのは当たり前だと思っていた。

しかし今は違う。出血による影響が生活を少し不便にし、仕事も辞め、難しいことを考える意欲や能力を削られていくのが自分でもよく分かる。今日と同じ体調で「明日」が来ると信じちゃいけない気持ちが強くなってきた。

このブログを作った頃は、検索窓に病名を入れてここにたどり着く人たちを安心させてあげようと、意識的に私の生活の明るい面を強調しようとしていた。現にそこそこ普通の暮らしをし、おそらく同年齢の女性よりは時間単価の高い仕事をし、平気でふらっと一人旅に出る暮らしを楽しんでいた。だから、「血管腫を持ってて経過観察と言われてても、心配し過ぎないでね」というメッセージはあながち嘘ではなかったんだ、これまでは。

でも、脊髄と背骨の中にまで血管腫がいくつもあると分かった時、自分を表現する場(ブログ)を今までと同じトーンでは運営できなくなってきた。ブログが苦痛になってきた。体調や暮らし方も変化しているのだから当然のことだ。明るくて前向きなネタよりも、将来を真剣に見据え、命という地面にしっかり両足をつけて踏ん張る内容を書きたくなってきた。

もちろん私の生活の中には、まだまだたくさんの小さな幸せと笑いと楽しみはある。

でもそれだけでは語れない人生のフェーズに入ったなと思っている。

だから今後このブログは、私が体験したことの記録と、ゆっくりと(であって欲しい)壊れていく私のリアルを書く場所にしていこうと思う。言葉を失うその日まで。

治らない。手術もできない。経過観察するしかない。

そんな私にできることは

  • いつくるか分からない命の終着点に向けて、後悔の少ない人生を模索すること
  • 存命なうちに、誰かの役に立ちそうな経験を書き残すこと(ダイエットネタがその最たるものだ)
  • 私がこの世にいたんだという証を残すこと

遺された親族(夫や弟)が困らないようエンディングノートを作ること

思いつくのはこれくらいだ。

この記事を読んでくださった同病者の方やその家族の方。

残念ながら楽しいことばかりは書けない。読んでおられる方も、カラ元気みたいな生活記録じゃなく、病人生活のリアルなんじゃないかと思う。ダイエット記事も含めて、血管奇形を持っている人間にとって大事なことだから書いている。血圧を上げないためにも、病気の数を増やさないためにも、体重のコントロールは大切だから。

言語機能の調子がいい時に書くから不定期になると思うけど、もしどなたかのお役に立てるなら嬉しい。

病気のことばかりじゃなく、その日に起こった小さな幸せを書いたりもしよう。

 

 

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ちいでる

家族性多発性脳海綿状血管腫(脳幹・脊髄も含む)を持つ軽度障害者。治療不可。大きめの出血を起こして命を奪われる前に、私が生きた半世紀の記録と経験を書き遺します。具体的には45キロやせたダイエット法・病気や障害をぶち抜いて幸せをつかんだ記録・意外と楽しい今の暮らし・ひとり旅バックパッカーの旅行記など。大阪出身。

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