脳・脊髄から血が出る暮らし(病人の毎日)
遺伝性の血管腫が身体のあちこちにたくさんあります。親も兄弟も子供も、同じ遺伝子を引き継いで、やっぱりあちこちに血管腫のある身体で生きてきました。脳にある血管腫から出血して命を落としたり、重度の障害者になったりで。こうやってパソコンに向かって文字を打てる人間は、私ひとりになりました。
遺伝病というのは切ないもんです。誰が悪いというもんじゃないですからね。代々親から遺伝子を受け継いで人は生きていくわけです。ヘンな遺伝子がきても避けようがない。親だってヘンな遺伝子を意図的に選んで子供に渡すわけじゃない。
誰を責めても治らんのです。遺伝子を否定したら人体は成立せんのです。
だから、もらった遺伝子でできてる身体をじょうずに使う。そして、この身体で手に入る最大限のしあわせをつかむ。それが一番エエんちゃうかと思うんですよね。
他人さんの身体を借りて生きるわけにいきませんからね。他人をうらやんでも、人生を恨んでも、生産的なことは何もありません。自分を生きる。それだけですわ。それでエエんです。それがエエんです。