障害者と生きる・障害者として生きる

障害者の父をバカにした奴に フルスイングビンタをカマした件

 

小学校入学からしばらくが経った。

 

小学1年生のひとり暮らし 

 

私の父は脳血管手術を受け、その後遺症で左半身が不自由になった。今にも倒れそうなよろよろ歩きをしてる。真剣にリハビリをしたというのにそれ以上よくはならなかった。私の父はヘンな歩き方をするオッサンだという噂は、しだいに学校内にも広がり始めていた。

 

 

ある日のことだ。

ひとりの男子が、「(私の苗字)の父です~」と言いながら、大袈裟に足を引きずってよろよろ歩きはじめた。倒れて起き上がれなくなって「助けて下さい~」と泣き真似までしとるじゃないか。それも、私が見ている目の前で。父がリハビリを兼ねて家族と一緒に歩いているところを目撃したんだろう。周りで何人もが笑っている。

 

 

大人でさえ正しいことを知らない。脳動静脈奇形が伝染病だと言う大人がいるくらいだ。ましてや子供をや。

倒れそうな歩き方を真似たらウケると思ったんだろう。おそらく罪悪感など微塵も感じていないはずだ。「こいつを泣かせてやろう」くらいの気持ちはあったかもしれない。

丁度いい機会だ。

障害者として生きることがどれだけ大変なのか。笑いの種にしたら家族がどれだけ傷つくのか。

私が教えてやる。

 

 

椅子から立ち上がり、取り巻き連中を一気に押しのけ、倒れたままになってる小さな両肩をがしっ!とつかんだ。

意表をついたリアクションに驚いた顔をしてやがる。女がまさか反撃してくるとは!と思ったんだろうな。男がいじめて女が泣く。これが当時としての標準的なパターンだったから。

「何するんじゃデブ!」

私はその後も無言で、なおかつ冷静だった。相手は明らかにおびえている。周囲の男子もビビり始めた。

 

 

私の身体は標準よりとても大きい。だから接近戦には強いんだよ。体重を掛けて押さえこむことなんて造作ない。なんか叫んでるけど知るか。

右手を振りあげた。

やるからには中途半端はあかん。

ぱああああーんっっ!!

乾いた大きな音が教室に響いた。

右半身が左向きになるくらいの勢いで、私は腕を振り下ろしていた。

 

 

「あのな。障害者は一生懸命生きてるんや。笑いをとるために生きてるんと違うねん。分かるか?」

ひっくひっく言って声が声にならない様子だ。泣いてるからといって情けをかけてはいけない。仕返しする気がなくなるくらいが丁度いい。しかも一発でキメないといけない。泣いててマトモに開くこともできなくなってる目を見据えたまま、返事を待った。まだ泣いてる。

「分かったんか?分かったんか?て聞いてるんや。分かったんなら『分かりました二度としません』て、みんなの前で言え。そして私に謝れ。障害者はオモチャと違うねん。分かったか?」

泣くぐらいやったら最初からそんなことするな。

 

 

こんな手荒いことをしたのはこれが最初で最後だ。

父が立ち上がれるようになるまで。歩けるようになるまで。どんだけの苦労と時間が掛かったと思う?知りもしないで表面だけみて笑ってんじゃねえよ。

あんたがやったことは、これくらいえげつない(ひどい)ことや。もう一度言う。障害者は笑いのタネになるために生きてるんと違うねん。覚えとけ。

 

 

仕返しはこなかった。怒られることもなかった。

理由は多分この2つだと思っている。

 

ひとつは、「この界隈であの兄ちゃんを怒らせたら安心して外を歩けない」と皆が認める、非常に凶暴でケンカの強い2歳上の近所の兄ちゃんと仲が良かったことだ。

兄ちゃんは勉強が苦手で宿題が解けない。「なあ、この問題教えてくれや」と、よく私のところに聞きにきた。読書感想文の下書きを書いたこともある。それを知ってる子達が、「仕返しはまずい。やめとけよ」と止めたのかもしれない。

 

 

もうひとつは恐らくこうだ。

派手にケンカをしたせいで、クラスの子達が家に帰って親に話をしたはずだ。先生に言った子もいるかもしれない。女子が男子を倒して泣かした。これだけなら私が一方的に悪い。でも「障害者のお父さんを馬鹿にされたので怒ってケンカになったんだ」となると話は変わってくる。そりゃ馬鹿にした子の方が悪いよね、ってことになり、泣かされた男子の保護者も担任の先生も、私を責めにくかったんじゃないかな、と思っている。

 

それでもまあ、穏便に済ませるのに越したことはないよねw

私、百貫デブでよかったよ。百貫デブって分かる?巨デブのことね。

 

 

「障害者の家の娘だけど勉強がよくできる」という噂が保護者の間に広がっていったのも、だいたいこの頃だった。

以前私のことを門前払いにし「脳の病気が伝染したらイヤやから、うちの子と二度と遊ばないで!」と金切り声をあげたおばちゃんは、ころっと手のひらを返して愛想のいいおばちゃんに変わっていた。

なんだよ今さら。私と一緒にいたらアホが伝染するんじゃなかったのか?w

うちの子と仲良くして勉強を教えてほしいって?賢い子と遊んだらうちの子も賢くなるからって?

あのな、おばちゃん。

勉強も伝染病と違うねんで。

どんな環境にいても、やるヤツはやる。やらんヤツはやらん。それだけのことや。

 

 

世間ってのは、本当に無責任で失礼で無神経でずうずうしい。

世間の目に振り回されることは無意味だし、世間の評価を鵜呑みにするのは危険なことだ。

 

●続きはこちら●

歩行訓練中の障害者の父を見て6歳の子供が学んだこと 

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くりからん

持病の進行を遅くするため、50歳でFIRE ( アーリーリタイア ) することにしました。夫との年齢差が12歳あるため資金計画が難しかったです。人生の中間地点に立ち、過去を振り返り、将来に備え、今をとことん楽しむ毎日を送りたいです。趣味は旅行。保護ネコ2匹と暮らしてます。

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