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’トイレットペーパー・マスク買い占め老人’ から学ぶ 災害備蓄品確保の重要性

「老害」たちの心には オイルショックの教訓がしっかり刻み込まれている

老人の消費マインドを変えることは、まず無理なんだよね

「毎朝ドラッグストアやスーパーの開店前から、ヒマな老害たちがトイレットペーパーを求めて長蛇の列を作っている。オイルショックから何も学べなかったのか?w」

というツイートが流れてくるようになって久しい。

確かに、朝の早くから店の前に並んでるわけにはいかない我々にとって非常に困った事態だ。トイレットペーパーはほぼ日本製。中国からの供給が止まると買えなくなるなんてのは嘘。買い占めが迷惑なのは間違いない。

でも、彼らは学んだんだよ。体に染みついてるんだよ。人のアタマの海の向こうにあるトイレットペーパーがどんどん消えてなくなる恐怖が。

だから、あの世代の消費者マインドを変えることは多分無理。いくら責めても嘲笑しても、テレビで「トイレットペーパーは日本製です!なくなりません!」と喧伝しても、彼らの心には響かない。

彼らの心が落ち着くのは、現物を手にできた時だけだ。

いつでも買えるという状態を自分の目で確認できた時だけだ。

 

追記

こんな記事をみつけた。

 

トイレ紙の山積み映像は「逆効果」 買えないと意味ない:朝日新聞デジタル

https://www.asahi.com/articles/ASN3J64BKN3JUPQJ00S.html

 

「子供は売り場には近づくな」と厳命された大騒動だったんだよ、オイルショックって

オイルショックの頃というのは、私は小学校に入学した時期だ。母は父の看病のため病院に泊まり込んでいた。

今のように入院患者の世話を病院がやってくれる時代ではなかったため、脳手術をした父には、家族のつきっきりの看病が必要だったせいだ。

病状が芳しくなく、目を離すことが難しい時期。だから私は小学校入学からしばらくの間、家で一人暮らし同然の毎日を送っていた。

食事の準備をする暇もなく、近所のパン屋でパンの耳を買い、販売されてすぐのカップラーメンにお湯を注いで暮らしていた。

それでもトイレットペーパーだけは、何とか時間を捻出して母が買いに行ったもんだ。

「行くな。危ない。あそこは戦場だ」と言われたよ。

 

 

髪の毛がボサボサになって帰ってきた母の姿が全てを物語っていた

帰宅した母は髪も服もぐちゃぐちゃ。大きくて重い粉末洗剤の箱(今のようなコンパクトサイズになったのは、ずっとずっと後のことだ)と共に、トイレットペーパーを1つ握りしめて帰ってきたものだ。

押されてここにアザができた、突き飛ばされて倒れそうになった、もう少しで捻挫するんじゃないかと思った。おとなしい母が語気を強め、顔をしかめてグチを言う。

「よほどすごいことになってるんだな」と子供ながらに事態の深刻さを感じた。

「あんな戦場みたいな場所で買い物をさせる訳にはいかない。絶対に行くな。子供が倒れても、抱き起すどころか、背中を踏みつけて遠くのものを取ろうとするだろう。誰も並んでない。店のドアが開いたら、津波のように売り場を一気に埋め尽くす」

母は小柄な人だったので、人の津波にもみくちゃにされながら手を伸ばし続けたに違いない。

 

店舗前の行列は 戦う体力がなくなった老人の自己防衛

人の背中の中でもみくちゃにされ、商品を引っ張り合って口論になってる姿を何度も目撃し、小突き回され押し倒されそうになったのに今日も買えなかった・・と落胆して帰った思い出は強烈だと思う。

歳をとった今、オイルショックの時のように戦える体力がない。若い人の勢いに勝てる自信はない。唯一若者に勝てる方法は、朝早くから並んで整理券をもらい、トイレットペーパーが届くのを気長に待てる時間のゆとりだ。

うちの両親は早くに亡くなったけど、生きていたら丁度、店の前で並んでいる老人と同世代。元気だったら夫婦で並んでいるかもしれない。多分、引き留めても止めないんじゃないかと思う。

オイルショックの頃の狂乱を知ってる私としては、行儀よく列を作ってるだけでも立派なもんだと思ってるくらいだ。

賢くなってるよ、歳をとった分。

「老害」と呼ばれる世代の消費者は、オイルショックの狂乱からきちんと教訓を得ている。

良し悪しは別として。

 

そもそも、トイレットペーパーが買えなくなった原因は他にある

 

「老害の無分別」「商品が消えた売り場ばかり流してるマスコミが悪い」・・本当にそれだけか?

総務省の「平成30年版情報通信白書」によれば、2017年の世代別テレビ視聴率(休日・リアルタイム視聴)は以下の通りだ。

10代:120.5時間・20代:120.3時間・30代:166.9時間(2~3時間弱)

60代:320.7時間(5時間以上)

60代までの統計しかない。でもおそらく70代以降は、もっとテレビを見ているだろうと推測する。

確かに老人層の情報源の柱はテレビ。一番テレビの影響を受けやすい世代だと言える。カラになった売り場の映像ばかり見せられたら、オイルショックの記憶がまざまざとよみがえるに違いない。

テレビを見ている世代に刺さる絵として、マスコミにとってもオイシイ報道ネタだともいえる。

でも、トイレットペーパーやマスク等が あっさりと店頭から消えてしまった根本原因は、マスコミや老人の無分別だと断じるのは違うと私は思っている。

 

品不足に上手く対処した台湾の例

IQが180を超えているIT大臣を擁する台湾。ツイッターで情報発信している台湾の方のツイートを追っているうちに、「これだよ、これ」と思い至った。

身分証を見せなければ買えない。

購入数も制限されている。

これなら、早い者勝ち・時間に余裕がある人勝ちという状況にはなりにくい。しかも、品不足にならないよう政府が随時コントロールすることが可能だ。

とはいえ、同じシステムを導入するだけの基盤が今の日本にはない。

 

じゃあどうするか。買う人の良心に任せるしかないのか。

いや、他にも方法がある。あったはずなんだよ。

 

オイルショックから何も学ばなかったのは企業ではないか?

対応が後手に回りまくってる政府に細かいことは期待できない。日本のIT担当大臣はITに疎いじーさんだし、国が物流をコントロールする素地もない。

でも、小売業の現場ならどうだろう。

店が購入数制限を設けていれば、商品棚が一気に空っぽになって、売り場で店員に食って掛かる消費者・ひたすら謝り続けて疲弊する店員は生まれなかったに違いない。

 

 

他の店に消費者が流れて売り上げが落ちる懸念はあるだろう。消費が冷え込んでいる今なら尚更のことだ。個数制限というのは勇気がいる決断だ。

しかし。東北の地震の時のことを思い出してほしかった。震源から遠く離れた関東圏でもトイレットペーパーとカップラーメンの棚は悲惨なことになってたじゃないか。

災害が起こった時に欠品するのは、決まってトイレットペーパー・カップラーメン・なぜかパン。いつもそうなんだよ。

しかも今回のコロナウイルスのヤバさは、日本国内の局地的な地震や台風の被害とはスケールが違う。絶対モノがなくなるに決まってる。オイルショックの時の場合は、大阪の千里という地域に住む団地の奥さん方の噂話が発端だ、といわれてたりする。

物不足のきっかけというのは、それくらいささやかな事でも起こるんだ。これまで何度も起こってるんだ。

在庫が底をつく前に。物流が滞る前に。

企業は先手を打つべきだったんだよ。これは十分予測できたリスクだったと私は思うよ。

 

「あそこに行けば、数は少ないけど確実にモノが手に入る」という信頼感は 小売り業の無形資産ではなかろうか

 

イオンがトイレットペーパーを大量陳列し始めた

これだよ、これ。

いくらテレビを通じて「紙はこんなにありまーす!」と訴えても、トイレ飢餓に苦しんでる人の心には響かない。

いくら工場に在庫があっても、店舗に届かない限りはないのと同じ。買えないんだから。

入荷日の見通しが立ちません、と言われたら、備蓄に余裕を持たせておきたい消費者が出てくるのは、ある意味仕方ないことだと思うんだよね。

排泄回数の制限はできないんだから。

トイレットペーパーだけじゃなく、生理用品まで品薄になったよね。あれは、どこの商品でもいいってもんじゃない。

「あのメーカーのこの商品じゃないと漏れてしまう。朝目覚めたら布団が血の海だよ」

こんな人、珍しくないんだよ。

「少々硬いけど仕方ないよね」で済むトイレットペーパーよりも事態は深刻だったはずだ。

私自身はもう要らない商品なんだけどね。半世紀を越えて生きてるオカンには、生理は二度とやってこない。

 

在庫を管理し、細く長く商品を売り続けられた店は、長期的には勝ち組

赤字覚悟の目玉商品をチラシの左上にデカデカと掲載しなくても、「あそこに行けばトイレットペーパーはなんとかなる」と知れ渡れば、身銭を切らなくても確実に買い物客がやってくる。ついで買いもしてくれて儲かる。客も店舗もwin-win。店員さんも買い物客の怒号に晒されることなく、快適に働くことができたはずだ。

もちろん、購入数制限を始めた店は多かった。でも、そのタイミングが遅かったな。少なくても私が体験した範囲では。

商品が欠品しそうになってから「おひとり様〇点限り」にしても遅いんだよ。

「ない!」という危機感を一旦感じさせたら買い占めが起こるに決まっている。オイルショックを経験した人間ならなおさらそうだ。

 

「たられば」でモノを語るのは無責任で楽なんだよオマエ、と言われたらそれまでなんだけども。

一消費者の放言です、すんません・・

 

いつ入荷するか分からん品物を求めて並べない我々は 災害備蓄品をしっかり備えておこう

老人の自己防衛だとはいえ。オイルショックの刷り込みが抜けないとはいえ。必要なものが買えないのは非常に不便だ。仕事や子育てに忙しい世代は、必要な物資を手に入れるのに毎日朝っぱらから店に並ぶわけにはいかない。

今回のコロナに限らず、地震・台風・家事・水害など、日本は様々な自然災害に見舞われてきた。しかも年々規模が大きくなり、被害が甚大化しているように思う。

災害というやつは、若くて健康な人でさえ容易に災害弱者に転落させる。ケガをすれば。病気になれば。いくら普段は健康でも人の手を借りねばならない。物資調達のために長い列に並ぶことはできない。

 

買い占め老人の姿を見るたびに、列にすら並べなくなった時の備えの重要性も痛感する。災害弱者になることを前提に、家の中に備蓄品を置いておくことはとても大切だ。

 

私は、脳血管奇形を持っている軽度の身体障害者。災害弱者のひとりだ。

昨年の台風で壊滅的な被害を受けた千葉県民のひとりとして、家に備えておくべき災害備蓄品を厳選してみた。

【災害弱者が厳選】災害備品に加えるべき4種の食品

【災害弱者が厳選】災害備品に加えるべき役立つグッズ5点

 

健常者の方には気づかないこと・もの が結構あると思うよ。一般的な災害備蓄品に欠落してるものを集めてみたので読んでね。

 

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ちいでる

家族性多発性脳海綿状血管腫(脳幹・脊髄も含む)を持つ軽度障害者。治療不可。大きめの出血を起こして命を奪われる前に、私が生きた半世紀の記録と経験を書き遺します。具体的には45キロやせたダイエット法・病気や障害をぶち抜いて幸せをつかんだ記録・意外と楽しい今の暮らし・ひとり旅バックパッカーの旅行記など。大阪出身。

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