お出かけ・旅の記録

いまこそマスクが必要なのでは

 

この記事は2020年の夏に書いたものを加筆訂正したものです。

5類に移行し、マスクを外す人が増え、感染者数をニュースで報じることが激減した今。発熱外来を訪れる人の多くが陽性と判定されているとのこと。のどの痛み止めの在庫が枯渇。本土でも医療体制は静かに崩壊しつつあるようです。

同じことが離島で起こったら医療はもたない。過去の沖縄の感染状況や医療ひっ迫度を例に、今だって感染対策を忘れてはならんよね、ってことを書こうと思います

 

「緊急事態宣言が解除されて旅行をする人がじわじわ増え、GoToトラベルキャンペーンに乗っかって観光客がぐっと増えた」

という書き出しでこの記事を書いたのは2020年の夏。

あのまま収束に向かうかと思いきや、これを書いてる12月は感染の第三波に呑まれてる。医療崩壊を宣言する声が聞こえてきた。

患者がどんどん増える中、大切な命を賭けて病棟に立つプロが疲弊、離職、罹患。病床不足も目前だ。

 

12月28日から1月11日の旅はGoToトラベルの対象外となった。帰省や旅行で人が動く時期だから、不要不急の移動を控えるうえで一定の効果はあると思う。

けれど、移動自粛のお願いをぶっちぎって不要不急の旅に出ても法的に罰せられることはない。GoTo中止が完全な抑止力とはなるまい。

 

隣の県に患者を受け入れてきた地域も そろそろ病床と怒りの限界点を超えそうだ。たとえば和歌山県がいい例だ。県のHPに大阪への怒りを感じさせる異例な長文が掲載されている。一部を抜粋してみよう。

 

今や、大阪の感染の爆発により、和歌山にも火の粉がどんどん飛んできまして、和歌山の保健医療当局も大忙しであります。大阪の南部は元々3次救急が脆弱なので、最後の砦は和歌山市の大病院という形で駆け込んで来られることが常態化していたのですが、大阪の方は分かってもらえているでしょうか。最近は命に関わりかねない肺炎患者が大阪から救急車で運ばれてきたと思ったら、病院に入る際の抗原やPCR検査で陽性が判明し、直ちに和歌山のICUに準じる病床が一つ埋まってしまうことになりました。

 

 

南大阪の患者は随分救われたことだろう。和歌山県がなんとか我慢して大阪の患者を受け入れてくれたおかげで。

でも日本には、自家用車や救急車で他県搬送が物理的に不可能な県が1つある。沖縄県だ。

沖縄県だけは大阪南部のようにはいかない。隣の県は鹿児島県だ。車で行けるわけがない。

 

だから沖縄・離島の旅を考えてる人に伝えたい。

沖縄の感染者数は少ない。だからといって「沖縄は安全だからマスクをしなくていい」なんて絶対に考えちゃいけない。

医療崩壊が起きたら、沖縄が食らうダメージは本土の比じゃないんだから。

「コロナは風邪w」「俺は若いから感染しても無症状っしょw」

こんなこと言って笑ってるヤツは訪沖するな。マスクをつけ検温に協力しろ。手洗い消毒も忘れるな。人の命が掛かっている。

 

 

 

先日那覇空港の検疫を強行突破した男がいたそうだ。

何してんだよハゲ係員の指示に従え。どこに逃げたんだよボケ。

 

額が熱いのは機内が暑かったせいだ!と伝えた男よ。

オマエはカエルとかトカゲ?変温動物w?

 

 

https://news.goo.ne.jp/article/okinawa/region/okinawa-20200723101500.html

 

 

制限解除だから県境を越えても制度上は構わない。

でも検疫の強行突破はやめようや。エエ歳して何してるの?

 

 

沖縄が感染対策に力を入れているのには、地理的な問題が大きい。

 

 

羽田からだと沖縄本島は飛行機で2時間半。九州でも1時間半程度。

隣県までの移動手段が空輸しかない離島県でウイルスが蔓延したらどうなるだろう。

小さな離島で患者が出たら、まずはその島まで迎えに行く時間が必要。さらに沖縄本島か鹿児島まで飛ぶ時間が要る。

 

一番大きな沖縄本島でさえ医療事情は厳しい。石垣島や宮古島まで行くと総合病院は3カ所程度。もっと小さい島には診療所が1つしかない。

 

 

例えばドクターコトーのロケ地になった、日本最西端の島の与那国。

あの島にあるリアル診療所は、診察終了時間の17時が終わったら患者の診察はしない。夜間ドンドン扉をたたいて先生が普通に出てくるのはドラマの中だけの話。

 

診療時間外の急患は、なんとまずは那覇に電話をすることになっている。

那覇の担当者に症状を伝え、「これは診察が必要だな」と判断されたら与那国の診療所に「患者が出たので診療所を開けてくれ」と指示を出すのだと聞いた。

(私が滞在してた2019年春はそうだった)

 

与那国に滞在している間に私は両手首を捻挫をした。擦り傷には少し膿が浮いている。運悪くその日は金曜日の夜。与那国の診療所は土曜日も休み。つまり診察を受けられるのは3日後だ。

一軒家を貸し切ってひとりで住んでたので、家には私以外誰もいない。生活用品は一通り揃っているけど薬が見つからない。あちこち探そうにも手が痛む。

骨折してなきゃいいんだけどな・・と念じながら手を冷やし、添え木を巻いて3日間を過ごした。

つまり那覇に電話を掛けても診療所に取り次いでもらえなかったということだ。

 

離島の医療事情はかくのごとく厳しい。診療所があって医師が常駐してても、24時間体制で急患を受け付けてもらえない可能性があるんだよ。

 

だから自分のためにも島民のためにも、感染対策は万全にして旅をしなきゃいけない。

 

・・・というのに。

 

先日はツイッターで、宮古島に行った観光客がこんなことをつぶやいていた。

 

「島民があちこちで『マスクをつけてください』と旗を持って立っている。あそこまでするか?w コロナ脳すぎw馬鹿じゃねーか感染者はほとんど出てないらしいじゃん。俺?もちろんノーマスク。爽快だわw」

 

賛同のリプがたくさんついてる。コロナの怖さを知らない人間がこんなにもいる。

我慢して自粛してる人の努力を何だと思ってやがるんだフリムン(馬鹿)。

 

 

離島でコロナ患者が複数で始めるとどうなるか。

与論島でクラスターが発生した時を例に挙げてみる。

 

本土からやってきた無症状の感染者を媒介して島民が次々と感染。病院や郵便局の機能に大きなダメージを与えることとなった。

 

 

https://373news.com/_news/?storyid=123167

 

 

他の病院に行けばいいというものではない。離島には診療所が1つしかないんだから。

じゃあ隣の県に搬送する?無茶言うな。どれだけ時間が掛かると思ってんだ。

与論は鹿児島県に属する離島。でも与論島から鹿児島に飛ぶ直行便の飛行機も、那覇へ飛ぶ飛行機も、一日にたった一便しかないんだぞ。

しかも片道1時間半。

救急ヘリを飛ばせば十数分で総合病院に行ける都会のイメージは捨てなきゃならない。

そして、高齢化率がバカ高い離島で大流行したら生活機能は一発で崩壊だ。

 

 

ところが、与論島にマリンスポーツを楽しみにきた40がらみのオッサンがこんなことを。

 

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/60b2c564fe40f3fa8c7301868cb5da74ec418132

 

何が困惑なんだ。困惑しとるんは島のみなさんだよ。オマエに困惑する資格なんか ないっちゅーの。

 

 

「マスクもつけてない観光客が散見される」て何だよアンタら。

対策をしっかりしてる人たちを「コロナ脳」と笑う前に、自分自身の脳を心配して欲しい。

 

先ほど与那国島の診療所の話を書いたけど、離島に赴任してくれる医師を見つけるのは大変なんだよ。

やっと来てくれた医師や看護師がコロナにかかってしまって島を離れてしまったら、次の医者や看護師を探すのにどれだけ苦労することか。

平時でも難しいんだ。

今は本土でも医師や医療関係者の確保が困難になっている。

そんな中で、遠い遠い南の島に医療リソースを割くことはまずムリだ。

 

そして、島に医者がいなくなったら患者は高速船で通院することになるんだよ。

想像してみて欲しい。高い乗船料を払い、傷んだ身体で移動するのがどれだけ大変なことか。

県民所得が最低ランクにある沖縄のなかでも、離島はさらに年収が低いんだ。

海が荒れてると何日も船が出せないんだ。

そんな地域を無医村にしちゃいかんのだよ。

 

旅は恥をかき捨てたらいかん。後を濁してもいかん。マスクもできんヤツは海を渡るな。離島県の医療崩壊は絶対に防がないといけない。

島が好きなら、島に迷惑を掛けないよう旅をしませんか?いったん医療がひっ迫すると、その悪影響は本土の比じゃない。それが離島の現実だと思うから。

 

 

【追記】 7月31日に沖縄県は県独自の緊急事態宣言をせざるを得なくなった。

とうとう患者数が病院の収容可能人数を越えてしまった。

 

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くりからん

全身に遺伝性の血管奇形があります。脳や脊髄、身体を支える大きな骨に至るまで。出血するたびマヒや発作が強くなるのに、手術は危険なのでできません。そんな人生も半世紀を越えました。老後が見えてきた今。何をしておきたいか。どんな人生を送りたいか。日々考えてます。

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